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2022/8/2
授業紹介第12回 「アダプテッド・スポーツ」瀨谷先生
「アダプテッド・スポーツ(障がい者スポーツ)」
柔道整復コース午前部・1年生
この授業は、柔道整復師として社会で活躍する上で、『患者さんや選手など、相手の状況を理解し考える力を養う』目的で、全てのコース・クラスでカリキュラムに入れています。柔道整復コース・午前部の1年生は4月からこの授業がスタート。これまでに、障がいの種類やパラスポーツの様々な競技について学んできました。今回は、その集大成として行われた授業です。東京2020パラリンピックのメダリスト:澤田優蘭選手と、ガイドランナー(伴走者)で本校卒業生の塩川竜平先生を講師に迎えて開催しました。
講義① 障がいは人によって異なることを知る
一口に「障がい」といっても、人それぞれで障がいの度合いなどが違うことを、澤田選手はご自身の視覚障がいを例に講義してくださいました。視覚障がいは全盲よりも弱視の方が圧倒的に多く、澤田選手は視野の中心部分が見えないという障がいがあります。学生には、澤田選手が普段練習している陸上競技場の練習風景を例に、中心部分がどのように見えないのかを画像を用いて説明していただきました。
講義② パラスポーツの世界
パラスポーツは、障がいの種類や程度によってクラス分けされていたり、ルールが決められていること、また、選手をサポートする競技アシスタントの役割を紹介してくださいました。
澤田選手が銅メダルを獲得したユニバーサルリレーは、障がいと性別が異なる4人によるリレーです。1走は視覚障がいで澤田選手が務めました。2走は切断または機能障がい、3走は脳性麻痺、4走は車いすというルールです。各走者はバトンではなく身体にタッチしますが、障がいによってはタッチができないためガイドランナーが替わりにタッチすること、そこにも細かなルールがあることなど、選手ならではの視点で競技とルールを説明していただきました。
(パラリンピックについて紹介)
澤田選手のガイドランナーを務める塩川先生は、走り幅跳びのコーラーも担当しています。コーラーは、選手に踏み切り板の位置を知らせたり、スタート位置へ選手を誘導する役割です。澤田選手が塩川先生の叫ぶ声を頼りに踏み切る様子が動画で紹介され、学生は初めて選手とコーラーの信頼関係や緊張感を知ることができました。
体験
講義後は、「見えない世界」を体験しました。一人は目隠しをしてクラスメイトに椅子まで案内してもらいます。見えない不安、ぶつかったり躓く心配の中、椅子を触りながら座ります。学生は、ようやく座ることができて目隠しを取った時に、自分が座っている位置や方向、相手との間隔などを見て、普段どれだけ視覚に頼っているのか、それと同時に、見えない世界で生活している方への気づきが生まれたようです。
☆授業を受けた学生の感想
『障がいがあるため普段の生活でさえ大変なのに、僕たちよりも輝いて見える姿に感動しました。実際にアイマスクをして視覚障がいを体験すると、周りが見えない恐怖でとても大変でした。誘導も思い通りにいかず苦戦しました。とても良い体験でした。』
『障がいに対する自分の考え方が変わりました。今までは大雑把にしか理解していませんでしたが、授業を通してもっと細かい苦労などがあることを学びました』
『パラリンピックへの興味がだいぶ変わりました。自分もスポーツ大好きなので、いつか障がい者スポーツにも携われたらいいなと思います。』
『明らかに障がい者に対する認識が変わりました。今まで知っていたこととは別の側面を知れた気がします。これからの人生にとても大きな発見となりました!』
澤田選手、塩川先生、ありがとうございました。2024年のパラリンピックでは、更なる活躍を祈っています!
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